愛と優しさの対価とは。
「秋」を読んだ。
才女の姉信子と妹の照子。
そして従兄の俊吉。
姉信子と俊吉には文学という共通点があった。
照子はくっついているだけで話に乗れない時もある。
皮肉屋の俊吉を憎めず、どこか認めているところもある信子。
周囲から見れば信子と俊吉は、相思相愛のようにうつっていた。
大学を出れば一緒になるのではと噂されたが、
別の男と式を挙げ、しれっと地元を出る信子。
俊吉とはなんだったのか。
出先で信子は、旦那と仲睦まじく暮らしているように思えたが
徐々に歯車がずれていく。
そして家族との別れ際、照子にもらった手紙を読むのだ。
照子は自分の為に俊吉を取らなかった信子の気遣いを
わかっていた。
姉の、妹に対しての優しさだったのだ。
照子さえ幸せになってくれればという姉の献身。
しかし旦那との歯車がずれるほどに俊吉を思い出す信子。
そしていよいよ、照子と俊吉が結婚するのだが。
実家に帰り俊吉と信子が再開すると。
やはり、妹、照子が入る余地の無い時間が
二人にはあるのだ
信子と同じように、俊吉もまんざらではない様子。
それに気がついて涙する照子。
さっていく信子
という、なんだろう
昼メロのような内容なのだが。
最後「秋…」という一言で締めくくられる
短い小説である。
この後、この三角関係はどうなるのか!
きっとこのままではいられない!
信子は妹に優しいままでいられるのか!
照子は俊吉を振り向かせることができるのか!
天然ジゴロ俊吉!
ほったらかしの信子の旦那!
愛と優しさの対価とは!
一波乱あると勘ぐってしまうのであります!
しかし続きはないのでした!
オワリ!