芥川の「雛」を読む

芥川龍之介,読書,

今日は休みだったので本を読んだりDVDを見たり。
人類の文化に触れる。

良家の一族、商売に手を出して失敗。
おまけに火事にもあう不運、なかなかのピンチであった。

そんな中、雛を売る話が浮上。
相手も決まり、契約成立となった。

お鶴はこの雛が大好きであった。
というかお鶴の雛であった。

しかし手付け金も預かり
「もうお客の物だから」と父親に片付けられる雛。

ピヨピヨ…

それでも、事あるごとに
「最後に雛が見たい」と切望するお鶴。
最初は相手にされてなかったがあまりのしつこさに
兄にその都度、怒られる。

雛を送り出す前日、ふと目覚めたお鶴は物音に気がつく。
細目を開けると、横を向いて座っている父親。
そして、その視線の先には、薄暗い行燈に燈された
雛が飾り付けてあったのだ

厳格な父が見せた女々しい姿。
その光景に、いまだに夢と現の区別がつかない
老婆お鶴のお話であった。

雛なんか売って金になるのかな?
と思っていたが違った。雛人形の事だった。
途中、ピヨピヨと入れたのは悪意である。

すまない

私が書くあらすじではわかりにくいと思うが
この家族にとってこの雛人形は
相当に思い入れのある、特別な物なのだ。

それを売ると決断した父と、その思いを汲む息子が
冷たく見えるのだが、それは全てを察しての事。

どうしようもない現実に直面し、特別な何かを手放す。
その決断と、家族の理解と諦めと。

そんなものが入り混じった、感傷的なお話だった。
芥川作品の中でも私は、この作品結構推したいかも。

オワリ。

読書

Posted by きかんほうさん