読書

ジョン万次郎の羅針盤(著:中濱武彦)読了。

大学で日本近代美術のレポートを書く必要があり、

時代的に丁度良い偉人という事で参考になればと

図書館で借りてきた本だったのだが

これがもう面白くてするすると読み終えてしまった。

レポートの方がどうでもよ(

ジョン万次郎、これはもうラノベの主人公だ。

それも異世界物。

彼ほど数奇な運命を辿った偉人はそう居ないだろう。居たら困るレベル。

高知の漁村生まれの万次郎。

父に体を鍛えられる事で万次郎のベースは出来上がっていく。

頭も良いので手伝う仕事も効率良く行っていたが

それを奇異の目で見られ、さぼっていると蔑まれる少年だった。

早くに父を失い、稼ぎ頭にならなければならなくなった万次郎。

15歳で少し離れた町の漁師となる。

そして初めての漁で天候が悪化→漂流生活を送る羽目に。

太平洋の遥か沖、流れ着いたが鳥の島。

この島はたまたまアホウドリの群生地で

たまご取り放題だった。あと少しの湧き水があった模様。

ここで4か月も耐えに耐え、これまでかという所で

アメリカの捕鯨船ジョン・ホーランド号に救助される。

この船、本当にたまたまこの島を訪れただけであり、特に用事があったわけではない。

海上で不足しがちなたんぱく質を船員に振舞う為に

食べられる生物を探そうと島に立ち寄ったんだったかな?

そしたら万次郎達がいたわけで、万次郎の運命には驚くばかりである。

万次郎を救出したこの船の船長、ホットフィールド氏。

彼の存在が万次郎の人生を左右していく事になる。

万次郎はアメリカの学校で勉強し、

10年後、日本に必要な知識を蓄えて帰ってくるのだ。

まさに ゆ う し ゃ

ジョン万次郎の物語は読み応えが凄い。しかも実話。

こんな偉人が日本にもいたんだな。

生きる力を貰える実話だった。

ネバーギブアップじゃ。

終わり。

読書

俺ガイルこと

やはり俺の青春ラブコメは間違っている。は

言わずと知れたラノベであり、アニメ化までされた人気作である。

昨年、2019年11月に最終巻が販売され、完結。

いつも楽しみに拝読しておりました。

ノリの軽さや俗っぽさからは想像つかないくらい

暗く重くつらいテーマが根底にあり

やはりこんな青春は間違っていると思うのだが

主人公である比企谷八幡は細い線を辿り

どうにか正解にたどりついたように思える。

100%正しいとは言えないかもしれない方法で

さまざまな問題を解決していく奉仕部

そして比企谷八幡。

11巻以降、結末に向かう奉仕部を見るのがつらく

以降新刊を購入しつつ放置

一年経ってようやく読了という苦行を達成した。

わたくしをラノベの世界に引き込んだ作品。

文学というと鼻で笑う人もいるかもしれないけども

あえて言いたい。

俺ガイルは文学!!!

アウトプットこそしてないけども

間違いなくわたくしの人生に影響を与えた。

否、これから与えると思う。

一風変わった主人公とその取り巻きの

青春の苦みつらみ

甘酸っぱさと

理想と現実と悪ふざけと

ちょっとの哲学と

そんなものが融合した本作を称賛したい。

おすすめしたい!

後半、雑な展開もあるし粗も目立つけど!

万人にお勧めできる作品ではないかもしれないけど!

良作はいつまでも色褪せない…

この作品もきっといつまでも語り継がれる作品のはず。

もう忘れられていたら寂しいーわ!

わたくしは忘れないぞ

俺たちの三角関係はこれからだ!!

ではでは。

読書

お話の作り方的な本を読んでいて。

それはこれで3冊目となる。

いろいろ参考になったのだが、この本だけは毛色が違う。

本書はガボ(ガルシア・マルケス)の教室で

実際に行われていたブレインストーミングの記録なのだ。

※ブレインストーミングについて知らない方は調べたし

プロの作家達がシナリオの為だけに参加する

思考の試行の至高のブレインストーミング

興味がわかないわけがない。

漫画や小説など、物語の制作は一人静かに行うものだと思っていた

自分には衝撃的な内容であった。

テーマとして、制作過程にあるストーリーを語る者を決める

それを聞いた者達が意見を述べ、あらゆる方向を模索する

この本において、注目すべきはやはりガボ。

おぼろげだがすでに形ができている

完成されかけているストーリーをガボは壊そうとする

そうする事で新たな局面を導き出そうとするのだ

「ここまできてそんな展開はないだろ!」

という意見をぶっこんでくるガボ。

当然反論を受けたりもする。

それを肯定したり否定したりを繰り返し

作品の完成度を上げていく。

時々お互いを煽ったり罵ったりするような態度をとる事もある。

これは作家のプライドをかけた戦いなのだ。

何しろガボの一言一言がとても面白い。

それだけで彼の人柄や天才が分かってしまう。

面白いから一部引用する↓

ガボ「…彼は犠牲になるように皆に求められている」

ガボ「それではかわいそうだ」

ロベルト「なんの犠牲になるんです?」

ガボ「さぁな」

→投げっぱなしジャーマンをかますガボ

ロベルト「で、最後に男は死ぬんですか」

ガボ「いや死なない」

ガボ「さっきは男をどう扱っていいかわからなかったからそう設定した」

ロベルト「僕はやはり死ぬべきだと思います」

ガボ「この映画にケチをつけるようなら追い出すぞ」

→突然ガチ切れのガボ

ガボの面白さが分かっていただけただろうか。

ぶっきらぼうだし、破天荒に感じる時もある。

けれども随所に彼のプロとしての実力や

天才的なひらめきを感じる事ができるし、

そしてこの教室自体、

彼の人柄、人望があって初めて成立するであろう事は

間違いないだろう。

ブレインストーミングの中でいくつか

作品の作り方にも言及している。

まず、作品を作る時は0から考える事。

昔から中途半端に温めている物語は完成できない。

0から順序を経てストーリーを構成する事ができれば

物語はいつか完成する。

そんなことをどこかのページで言い切っていた。

100%は認めたくない気持ちもあるが

脳みそを殴られたような衝撃を受けた。

シナリオを作る際のベースとして有りな考え方。

ありがとう、ガボ。

シナリオからは少し逸れた話だが、

彼はコロンビアのバナナ農園で起きた虐殺事件にも触れていて

ガボはこの事件を身近で感じられる場所で生活をしていたらしい。

この事件、元になった事件での被害者は数名程度だったようで

しかし気が付けば話が肥大化

大量虐殺の歴史的事件とまで言われるようになっていた

ガボは非常に驚いたようで。

真実が変わっていく様を見せつけられたのだ。

声の大きいものが話を誇張し続けた結果

史実がねじ曲がってしまった

情報の正しさなんて精査する事は難しいし

何がほんとで嘘なのさと思うけども

声の大きい者の声は嘘でも通ってしまう事がある。

しみじみと考えてさせられてしまった。

この本を読んで。

漫画や小説、創作で生活するならばそれはプロであるし

それは仕事であるし生活である。

生活である以上続けなければならない

そんな現実もひしひしと感じさせられて

いろんな意味で目が覚める本だった。

バイブルになりそうな良書だ。

物語を作りたいと思っている人ならば

一度この本を読んでみても良いのではないだろうか。

以上終わり。

読書

ユービックは洋書である。加えて古い作品。

(もっている和訳本の初版が1978年。昭和53年)

訳で使われている言葉も古い。

やはりと言うか、ちょっと読みづらい。

タイトルや表紙からは分かりにくいがSFだ。

近い未来、世界は超能力者で溢れていて

思考を読むテレパス、未来を予知するプレコグなど

プライバシーを踏みにじる能力者が問題になっていて。

彼らを束ね、その能力を生業とするホリス。

逆に、彼らの力を封じ込める能力を持つ

反能力者の集団、ランシター社。

このふたつの集団の抗争が発端ではあるのだけど

事態はよりメンタリティーな方向に進んでいく。

具体的な解説は避けるが

最終的には何が現実なのかよくわからなくなる本作。

アニメ「バーナード嬢曰く。」で紹介されて

それがきっかけで購入した本なのだが

序盤読みにくくて面白さも感じず、長らく放置してしまった。

なんと3年以上放置…!なんかすいません。

しかし中盤以降はとても面白く、物語は加速していくのだ。

退廃していく世界の恐ろしさ。

ユービックとは何か。

そして、最後の章の意味とは!

序盤で一気に盛り上がって、あとは下がる一方の作品より

こういう作品の方が好きだな。

退屈な序盤も実はとても大切で、いたるところに伏線。

創作している人たちには、とても良い刺激になるのではと思う。

読んで良かったこの作品。

良作!

今後の創作に生かせれば良いが。

しかし…バーナード嬢曰く。のアニメから

もう3年以上経つのだな。

時が過ぎるのが早い…早すぎる…

これは世界が退廃しているのでは…

以上終わり。

読書

Twitterでフォローしてる方の本。

買いました、読みました。

全体的に絵本チックな感じで子供にもとっつきやすいのではないかな。

宇宙に関する小話が多数、収録されております。

宇宙に興味のある方はもちろん

話のネタを増やしたい方にもおすすめ

応用すれば創作にも使えそう。

想像力を刺激される内容である。

ロシアの片道ロケットに乗った犬の話は

知ってたんだけども犬好きとしてはつらかった

あとは概ね明るい内容で。

ダイソンスフィア、ホワイトホール、エウロパ…

出てくる名詞を適当に並べるだけで

まるでRPGの魔法のようだ。

表紙に「読むだけで人生観が変わる」とあるが

人によってはまさしくその通りになる内容だと思う。

子供のプレゼントに悩むそこのあなた!

プレゼントに本は良いですよ、本当に。

こういう本こそ最適。

わたくしは子供のころ

本といえば漫画しか読まなかったが

プレゼントしていただいた一冊の本があって

それは決して面白い本ではなく

図鑑のような本だったけど

それでもイメージとして強烈に残っているのである。

当時は「ん~本か…」という態度を取ったが

ちゃんと読んだし

大事に取っておいたし内心は結構うれしくて

ようするに自分にとって意味のある、価値あるプレゼントになったのだ。

本のプレゼントまじでおすすめ。

宇宙おすすめ。

終わり。