芥川の「トロッコ」を読む

トロッコ,芥川龍之介,読書

月曜の憂鬱な気持ちを紛らわそうと
出勤途中のバスで開いた芥川。
そしてそのまま読み終えてしまったという。

読むのが早くなった!
のではなくて、単に短いだけだ
舞踏会より短かったと思う

少年良平は、鉄道敷設の為の土木工事で使われている
トロッコがすきだった。

「のりてえ」
いや贅沢は言わん。

「押すだけでも」

しばらく工事でトロッコが利用されてる様を
眺める日々を送っていたのだが。

ある日誰もいないのを見計らって現場に突入。
兄弟とトロッコで遊び放題遊ぶのである。

するとおっさんと言う名の鬼があわられるのだ
「だれじゃあ!トロッコで遊んでるガキャー!!」

良平と弟達は逃げ出した。
ザッザッザ。
トラウマのように、しばらくは鬼の形相が
目に焼きついていて離れなかったのだが
それも10日で忘れた。
「トロッコ…はぁはぁ」

そしてまた工事現場に行ってしまうのである。
もはや病気

今日の土木作業員は優しそうな男達だったので
ついに行動にうつる。

「俺が手伝だっちゃる!おしちゃる!」

強引にトロッコ押しに参加。
作業員は大喜び、がんがん手伝わせる。
そしてついにまた、トロッコに乗る事になるのである。
作業員とともに!はいよしるばー

ずんずん進んで押す
ずんずん進んで押す

そんな作業を繰り返した後だった。
だいぶ遠くまで来て、そろそろ帰りたかった良平に
驚きの事実が突きつけられる

「おっちゃんたち今日ここで泊まりだから」
「おめーもう帰れよじゃぁな」

「…」
ここから歩いて帰るんかー!?
良平は走って帰って
暗くなった頃ようやく帰宅しわんわん泣いたとさ。

以上。
だからなんだ!と思ってはいけない。
これは優しさと甘さをはきちがえた子供の
更正の物語なのである。

と言うと大げさだが。
そもそも危険な工事現場に入って遊んでいる子供に
怒鳴りつけてくれた男は良識的な男なのだ。
少年の心には鬼の形相が焼きついたが。
そんな程度の事で済んだのだから

ところがその後に出会った作業員は甘いだけで
最後子供をどうでもいいと言わんばかりに突き放す。
結果、良平は暗くなってからようやく帰宅となったのだ。
少年にはさぞ怖かったことだろう。
何かあったらどうするんだ。

うーんしかし。
子供ってのは時にどうしようもないよねぇ…
子育ってって難しいだろうな。

オワリ。

読書

Posted by きかんほうさん