芥川の「鼻」を読む

芥川龍之介,読書,

芥川龍之介の「鼻」。
本人の鼻ではない、作品としての「鼻」である。
きっと大きなお世話でした。
鼻が長く垂れ下がった坊主の話。

食事に困るほど長く垂れ下がった鼻。
坊主は悩んでいた。

短くなったらいいな、普通がいいです。

治療や目立たなくなる方法をあれこれ試したが甲斐も無く。
ところがある日、治療法をしっているという医者の話を
弟子の1人から耳にする。

「こ…これしかねぇ…」

実際、鼻は小さくなったが以前よりも笑われる始末。
あくる日、鼻は熱をもち、徐々に元に戻っていった。

「やっぱこれしかないよね…」

これでよかっためでたしめでたし。

というお話なんだけど、この坊主がとてもめんどくさい。
まず長い鼻だが、鼻が長い事が嫌なのではないのだ。
人に蔑まされる事が嫌なのだ。
それを気にしている自分も嫌なのだ。

「長い鼻なんて気にしない!気にしてない!」

でも治したい…はぁはぁ

こんな感じ。
弟子から治療法の噂を聞いた時も

「ワシこの鼻でいいんだもん」
「どうしてもっていうなら治療するけど?」
「どうなの?どうしてもなの?」
「お願いしてみる?」

「どうしてもって言えよ!言って下さい早く!」

流石に付き合いの長い弟子。
全てを察して「どうしても」とお願いするのである。

坊主してやったり。

「しょうがないにゃぁ…じゃあ治療をうけてやるよ…」
「おまえ良かったね…」

なんだろうこの現代社会のようなやり取りは。
このお寺はブラック企業なの?弟子は社蓄なの?

そして鼻の治療法がなかなかにエグい。

下茹でして火が通ったらガンガン踏みつける(怖

坊主と弟子のやり取りがなんとも日本人だ。

この人の作品、2作目だけど、
心のやり取りの描写が素晴らしい。

しかし芥川は文体が独特でなかなかに読みにくいです。
うつりそう…

ラノベが貯まってるけど芥川を読んでいきます。

オワリ。

読書

Posted by きかんほうさん