フロントフォークオーバーホール

2018-12-07st250e,フロントダンパー,フロントフォーク,メンテナンス

フロントフォークのオーバーホールの記録。

何が苦労したって、固着したネジとの戦いが壮絶だった

それがなければそんなに難しくなかった気がする

※きかんほうさんの備忘録的な記事です。自己責任でお願いします!

左右対になっているフロントサスペンション

フロントフォーク。

ほぼノーメンテでOKだけども。

こだわる人は数年置きにフォークオイルの交換とかしているようです。

今回わたくしの場合、

フロントフォークのオイル漏れが徐々に酷くなり

体感できるほど動きが悪くなっていたので

オイルシールとダストシールの交換をする事に。

店に頼むと数万円コースだが

自分でやると、消耗品交換とフォークオイル代のみ。

ダストシールとオイルシールが

フロントフォーク2本分で大体3000円

フロントフォークオイル純正が1本(1L)1500円と

廃油処理のオイルパックンをあわせても5000円程度

こりゃ自分でやるっきゃねーとなりましたが

結果的にはいろんな工具を買ったりして

お店に頼むのと同程度の金額がかかったような…

店に頼んで2万円なら安いと思うよこれ。

工具と技術を手に入れたと自分を納得させている

次第であります。

フロントフォークのOHには当然だが

バイクからフロントフォークを外す必要がある。

フロントタイヤももちろん外すので覚悟されたし。

※トルクレンチ必須!インパクトレンチもあれば良い

手順としては

フロントフォークを固定する全てのネジを緩める→

フロントブレーキはずす→タイヤはずす→

フロントフェンダーはずす→フロントフォークはずす→OH

となる。

まずフロントフォーク最上部のネジ(というか蓋)を緩める。

組み付ける時のために、こいつの今の位置(高さ)を覚えておく

写真を取っておくと良いかもしれない。

ハンドルステーの穴の内側のツラに

ぴったり高さが合うくらいである。

黒いプラスチック蓋をマイナスドライバーとか利用してはずす。

固着してなければ爪でも取れると思う。

蓋を取ったらこいつを緩める。緩めるだけ。

17mmのヘキサゴンレンチが必要。締付トルクは23N・m。

同じサイズM17の高ボルト買ってきて、

はめ込んでレンチで回す人もいるらしい。

固定されている今がもっとも緩めやすいから緩めるだけ。

今蓋をはずしてしまうとフォークの取り外しが面倒になるし

中にバネも入ってるので後で慎重にやったほうが良い。

次。

フロントフェンダーとスピードメータケーブルを繋いでいる

樹脂パーツを手でひっぱってはずす。

次にフロントブレーキをはずしていく

スピードメーターケーブルを固定している

黄色い丸のトコのボルト10mmをはずしてから、

赤い丸のボルト2箇所14mm(締付トルク39N・m)を抜く。

ブレーキパッドがディスクを挟んでいるので

ブレーキ本体を引っ張ってはずす。

これでフロントブレーキは宙ぶらりんになるはず

タオル巻いたり

車体のどっかにくくりつけて保護しておくと良い。

ここまで済んだらフロントをジャッキアップ。

フロントタイヤがぎりぎり地面についているくらいにして

タイヤをはずしていく。

最初に黄色い丸のM6穴付ボルト(締付トルク23N・m。)をはずして

赤丸のフロントドライブシャフトM14(締付トルク65N・m)を

緩めてゆっくりと引き抜いていく。

この二つをはずすのに6mmと14mmの

ヘキサゴンレンチも買いましたよ!amazonで。

ドライブシャフトを抜くとこのパーツ

スピードメーターの本体?落ちるので要注意。

かなりオイルまみれなので直接手で触らず、

布か何かでつつんだほうが良い。

これでタイヤを固定しているものはなくなったはず!

ここで高めにジャッキアップすると

タイヤはずしやすいかも。

タイヤがはずれました。

次にフロントフェンダーの内側のボルトをはずす。

たしか10mmだったと思う。計4本。

フェンダー内側の金具はボルトを全て抜くと

はずれてしまうので注意。

内側を養生テープでくっつけとくと良いかも。

このフェンダー、取るのは簡単だけど非常に取り付けにくいので

元に戻す時はタイヤをつける前につけてしまおう

【ここで補足・フロントフォーク底のボルトについて】

話はそれるけど!今この状態で

フロントフォーク底のボルトを緩めてしまったほうが

作業として無難だったんじゃないかと思う…

この状態で緩めるとフォークオイルが出てしまうから

オイルパン等の準備がいるけども。

ボルトが非常に取りにくいボルトで、苦労します。

固定されている今のほうがきっと作業しやすい。

それでも逆さだけども。

フロントフォークの底の画像

ワタクシをさんざ苦しめたフロントフォーク底部のM6穴付ボルト

ネジ止めでも使われていたのか固着していて

異様に固いし場所が深くて作業しずらい。

事前にCRCかけたり 叩いて振動加えたりしているのに

全く緩む気配がねぇ…

インナーチューブが一緒に回るとか

そんなレベルではなかった。全く動かない!

あとで締付トルク調べてみたけど同じsuzukiの250、

バンデッドのフロントフォークで24.5~34N・m。

※ST250のフロントフォークOHの記事がググってもみつからない誰か(ry

ともかく場所が深いので普通の六角レンチでは厳しい。

近所のホームセンターを巡ってやっと見つけた

6mmのロングヘキサゴンソケット。

これなら届くけど先っちょが丸いやつだった…

これしかなかったんだよ!!!!

しかし固着しているボルトに先端が丸い六角を

使うのはやめましょう、確実に舐めます。

この後インパクトドライバ(最大トルク130N・m)を

1万円で購入し、はずしにかかりますがそれでもびくともせず

あれこれ試している内についにボルトは舐めてしまった。

舐めてしまったあとに買ってきたアイテム

最初からこれらを用意しておくべきでした。

6mmの六角ロングビットにソケットビット変換アダプター

これによって、トルクレンチで六角ビットを扱う事ができます

ロングビットが600円くらい、

アダプターなんて2000円もしたけどね

amazonならもっと安いのもあるようです?

このボルトが舐めると、ネジ頭が出ていないので

ネジザウルス等は使えません。

ドリルで穴を開けて逆ネジ(タップ)を使うしかないと思うけど

場所が深いので長めのタップを用意しなければなりません。

それもステンレス用のやつですよ!なかなか無いです。

なんとか届きそうな鉄工用のタップ買ってみたけど

あっさりと中折れ

タップが中で折れるとドリルでも刃が立ちません。

そしてこの左フロントフォークは粗大ゴミとなりました。

【補足終わり】

話を元に戻して。

ここまできたらあとはこのボルトをはずすだけ!

いずれも14mmのボルト

締付トルクは上側が23N・mで下側が34N・m。

ボルトを抜いたらフロントフォークは下に引っこ抜けます。

で。

ジャーン!引っこ抜きました!って嘘だけどねえ…

左のフロントフォークがダメになってしまったので

ヤフオクで落とした程度の悪い中古品です…

こんなゴミ同然なのに3200円とか

元々OHのつもりだったから

ダストシールとオイルシール、フォークオイルも持ってるし。

ここから先はこいつを使って説明していきます。

いきなり、因縁の底ボルトからはずしにかかるワシ

ここはずさないとOHどころかオイルシールの交換もできないし。

底ボルトにCRCをかけて数十分ほど置いて、

インパクトドライバで軽く振動を与えつつ準備。

写真の感じで、固いとこの上にフロントフォークを置いて

自分でフロントフォークの上に乗っかり、両足で踏みつけて

トルクレンチを上から手前に押し込むような体制で

ボルトを緩める。それでもめちゃくちゃ固くて

六角ロングビットがねじれそうになっていた

「カキッ」とはずれたらあとは手でも回るくらいのもの。

今回は2本とも底のボルトをはずす事に成功。

底ボルトをはずす前に、廃油を捨てるオイルパックン等は

用意しておいたほうが良い。

底ネジはずしたらオイルパックンに突っ込んで立てておきましょう

フロントフォークオイルが抜けていきます。

インナーチューブをズボズボ動かすとドバドバでます。

このとき、上蓋も取ってしまって

ひっくりかえしても良いかもしれませぬ。

そうする事で古いフォークオイルが完全に抜けます。

上蓋はバネによってテンションがかかっているので

跳び出さない様に押さえつけながら回す事。

この状態で上からばんばんパーツクリーナーふきつけてOK。

ひっくり返しても中のパーツは無くさないように!

フロントフォークからオイルが抜けたら

まずは簡単にはずれるダストシールからはずそう。

手で簡単にはずれます。

しかしきたね

はずしたダストシールの裏側。

左側が元々私のSTのフロントフォークついていたやつで

右がヤフオクで買った、きったないやつのダストシール。

信じられない事に右のほうがまだ状態がいい…。

ダストシールをはずすと内側にオイルシールが!

そしてその上を金具が固定してる。

これをラジオペンチやドライバーをつかって取る。

ちょっと浮いてるところをマイナスドライバーでこじると良いかも?

インナーチューブを傷つけないように注意。

金具をとったら、

インナーチューブとアウターチューブを持って

ガツンッガツンッと数回、思い切り引っ張る。

するとオイルシールがはずれていき、

インナーチューブが抜けます。

スポーン

これが固くて苦労する人もおるようです。

ここまできたらバラバラにするのは簡単。

パーツを入れる順番だけ覚えて置いて、

パーツの1つ1つをパーツクリーナーで洗います。

パーツを入れる順番に並べてみたけど

ダストシールとオイルシールが並んでないし

横に並べ切れなかったのでちょっと判りにくい。

このバネの使用限界は338.2mmらしいのだが350mmあった、OK。

まずはこのリング、スライドメタルをインナーチューブの上から通します。

こうなった。

次はこのパーツに小さい方のバネを通して

インナーチューブの上から入れます。

持ち上げるとこうなる。

で、こいつの先っちょにこのパーツをつけて

そのままアウターチューブに入れます。

奥まで入れたら

底にボルトを入れて締める!

トルクは補足のとこを見てくだされ。

サービスマニュアル買っておくんだったかな。

まぁだいぶ固めのよう。

ここでいきなり登場、内径38mmの塩ビパイプ。

スライドメタルを奥まで差し込むために使います。

これをインナーチューブの上から入れて写真の用にしたら

プラスチックハンマーで上から叩く。

塩ビパイプはホムセンで100円くらいで売ってるよ。

この塩ビパイプを使う方法、他HPで見かけてやってみたのだけど

思ったより全然入っていかなくて。

後の行程、オイルシール入れるときも

同じ事やらねばならんのにしんどくて、そこで。

ヤフオクで買ったフロントフォークの

余ったほうのアウターチューブ。

こいつを塩ビパイプの後

インナーチューブの上から逆さに入れて

上からハンマーで叩いたらあっという間に入った

これからこの作業をしようという方には

アウターチューブの余りなんて無いと思うけど

長めの塩ビパイプを使うことをおすすめします

40cmくらいの長さのヤツを買ってきて

上から叩いたほうが全然早いよ!叩きやすいし。

しっかり入ったスライドメタル

次は大きいほうのワッシャー?をインナーチューブに通します。

いよいよこいつの出番。

新品のオイルシールとダストシール。

【パーツ番号】suzuki純正ダストシール:51173-25D00

【パーツ番号】suzuki純正オイルシール:51153-03B30

まずはオイルシール。

こちら側が上側

こっちは下。方向間違えないように!

オイルシールはインナーチューブに通すときに傷つきやすいそうなので

インナーチューブの頭にラップをかけてフォークオイルを塗る。

オイルシール自体にもフォークオイルを塗ってから

インナーチューブに通す。

手で落とせるとこまで落としたら

また塩ビパイプを使ってしっかり押し込んでやりましょう。

次はオイルシール固定金具。

オイルシールがしっかり入っていれば、

固定金具が収まる溝がアウターチューブ側にあるはずなので

簡単にはめ込む事ができます。

次!ダストシール。

これもフォークオイルを塗ってから手で入れていく。

収まりましたな。この状態まできてようやく

中にフロントフォークオイルを入れる事ができる。

他の金属パーツを入れる前の作業になります。

使用したフォークオイルはsuzukiの純正フロントフォークオイル。

このオイルをフロントフォーク一本につき

規定量411ミリリットル。

またはインナーチューブの上っ面から72mmのところまで入れる。

時々インナーチューブをズボズボと動かしながら

オイルを入れましょう。

私は量でやったのですが

自宅にある計りはグラムしか量れないので

グラム=リットル換算した。

水と油は比重が違うので

1リットル=950グラムで計算

411ml × 0.95 = 390g

これでは多かったので後から少し吸い取って調整。

次回があるとすれば1L=0.9で計算しようと思う。

370gくらいか。

フォークオイルを入れたらインナーチューブの上から

これらの部品を入れていきます。

順番はスプリング→ワッシャー→金属の筒→蓋

スプリングは収縮している方が下側。

金属の筒は入れるとバネで浮いてくるので

蓋を押し込みながら締める。

規定トルク23N・mまで締め付けたらフロントフォークのOH終了。

ここで買っておいたkijimaのフォークブーツを装着!

バイクに組み付けて今回の作業を終了とする!

あ~~~この記事長いよ!

でもいつかきっとこの記録が役にたつ…ハズ?

終わり!