ユービックは洋書である。加えて古い作品。
(もっている和訳本の初版が1978年。昭和53年)
訳で使われている言葉も古い。
やはりと言うか、ちょっと読みづらい。
タイトルや表紙からは分かりにくいがSFだ。
近い未来、世界は超能力者で溢れていて
思考を読むテレパス、未来を予知するプレコグなど
プライバシーを踏みにじる能力者が問題になっていて。
彼らを束ね、その能力を生業とするホリス。
逆に、彼らの力を封じ込める能力を持つ
反能力者の集団、ランシター社。
このふたつの集団の抗争が発端ではあるのだけど
事態はよりメンタリティーな方向に進んでいく。
具体的な解説は避けるが
最終的には何が現実なのかよくわからなくなる本作。
アニメ「バーナード嬢曰く。」で紹介されて
それがきっかけで購入した本なのだが
序盤読みにくくて面白さも感じず、長らく放置してしまった。
なんと3年以上放置…!なんかすいません。
しかし中盤以降はとても面白く、物語は加速していくのだ。
退廃していく世界の恐ろしさ。
ユービックとは何か。
そして、最後の章の意味とは!
序盤で一気に盛り上がって、あとは下がる一方の作品より
こういう作品の方が好きだな。
退屈な序盤も実はとても大切で、いたるところに伏線。
創作している人たちには、とても良い刺激になるのではと思う。
読んで良かったこの作品。
良作!
今後の創作に生かせれば良いが。
しかし…バーナード嬢曰く。のアニメから
もう3年以上経つのだな。
時が過ぎるのが早い…早すぎる…
これは世界が退廃しているのでは…
以上終わり。