読書

今日も読書。

「人間失格」の続き。

前回は第一の手記までしか読んでいなかった。
古い書籍独特の読みにくさはあるが、長い話ではない。
なんとか今日、読了することができた。

痛ましい内容。
途中でモヤモヤし始めて何度か本を閉じた。
でも先が気になり、また本を手に取る。
そんな事を繰り返しながら読んでいたら、1日かかった。

この作品の主人公は犯罪者ではない。
おそらく普通の人間なのだ。
結果的に間違いを重ねた事になるが、
では何が間違いだったのか、何が悪かったのか
非常に考えさせられる。

まずこの男は非常に臆病である。
そのくせ命に対する概念が希薄である。
なんでもそつなくこなすので得手不得手もない。
食事は形だけ、食欲もなければ味の好みもない。
悪意も善意もなく、自己主張するわけでもない。

芯がないどころの騒ぎではない。
何もない臆病な人間ゆえに流されて、流されて、
人を巻き込んで。
果ては何度でも最悪の結果に至るのである。

自分の意思で立って、歩いて、ゴールを目指す。
それができる人間がどれほどいるだろうか。
信念を抱えて生きている人間がどれほどいるだろうか。

あらゆる道が狭められ、難しくなり、
なぁなぁで、流される事を許容して。
望んだ結果ではなくとも、それらしい結果に
満足するように自分を納得させて。

そんな現在社会では
誰にでも起こりうる物語ではないだろうか。

人間失格を読んでいると
主人公が天使にも悪魔にも見えてくる。
気が付くと寒気すら感じるようになっていた。
誰にでもありえるというリアリティが
そう感じさせたのであろう。

しかしやはり、自分とは似ても似つかなかったな。
なんでこんなにモテるんだよ。

「金と女と人望はある人間の失敗談」

結局こんなとこである。
臆病であるがゆえに目の前の幸せにさえ
臆して逃げ出すとか解せぬ!

ああ、幸せっておいしいのかな。

読書

「人間失格」

第一の手記。
一般的な人の価値観を持ち合わせず
何にでも懐疑的な少年が
道化を演じる事で他と違う自分を隠して生活していた。

読めば読むほど幼少期の自分に当てはまってしまい、
目が丸くなる。

小学生の頃、自分には何もなかった。
人の気を引くことだけを考えていた。
バイブルはドラえもん。
理想の人間像を教えてくれたのはドラえもんだった。
友達たくさんできればいいなと思っていた。
他に理由も目的もなかった。

だから、人に笑われる事で気を引こうとした。
なんであれすぐにそうした行動をとる。
太宰風にいうなら、道化を演じる。
まさにそういう事だ。

家族親族の中でも浮いた子供だった。
他の親戚や兄弟には、誰にしろ大人の後ろ盾があった。
贔屓目に見てくれる人が1人はいたように思う。
ところが自分にはそれがなかった。

嫌われているという事でもなく、空気。
そのこと自体は別に構わなかった。
でも後ろ盾がないせいか、酷く臆病な子供だった。
だから肝心なところでは茶かす。

すると人が笑う。
一面が明るくなる。
主役になれた。
その瞬間は好きだった。

実際にそれで小学校では人気者になり、
校内同学年で知らない人はいない程、顔が広くなる。
林間学校では演劇でも笑いを誘い、一躍スターに。

でもそれだけだった。
たくさんの人と広く付き合っていたせいで
一つ一つの関係は非常に希薄なものとなっていた。

他の子供は違ったのだろう。
中学になり他校の生徒が入ってくると、
より親しい人とコミュニティを作っていた。

挨拶も会話もしたが、自分はコミュニティを持てず。
はじめて1人を痛感して、
その時の冷めた感じを今でも覚えている。
友達なんて作ればいいと言う物ではないなと
中学1年の序盤で悟った。
いじめなどはなかったが、以降孤独な学生生活を送る。

なんとも捻くれた子供だ。
かわいくない。

原点からしてこんなだから、今でもこんな風なんだろう。
普通ってなんですかね
世間体?なにそれおいしいの。

ところで、人間失格第一の手記の少年だが、
自分と似ている部分だけではない。

相違点まとめ
1.まずこいつは金持ちだ、おぼっちゃんである。
2.なんと天才的に成績がいい

そこだけ似ていればよかったのに…
どうしてこうなった…

読書をしていたら途中で眠くなり魂が抜けた。
潜在意識の中で全部読んだ気もしたが
気が付いたらまだ3分の1ほどしか読んでなかった。

正直退屈な本だが、読んだらまた感想でも書こうと思う。